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うなぎ屋の三代目が綴る、うなぎ、ご飯、食べ物などにまつわるブログ


by eelsuzumo
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稚魚を食べるうなぎ

日本では成魚を蒲焼にして食べるのが、鰻の一般的な食べ方ですが、
海外では様子が違う国もあります。

以前に、ある方が…、
「これは旨いと今でも思い出すのは、
スペインで食べた『鰻の稚魚をオリーブオイルと白ワインでソテーした』もの、
日本で探しているのですが見つかりません。スペインまで行くのは大変だし!」
という話をうかがったことがあります。

ヨーロッパでは古くから、鰻の稚魚を食べる習慣があるそうです。
ここで言う鰻は、日本のものと近い種類ではありますが、
厳密には違うものであります。
(ヨーロッパ種と日本種は、同属亜種と聞きました)

さて、鰻の稚魚なのですが…。
日本国内で、鰻の稚魚を食べるのは、実はかなり難しいと思います。
と言うのも、お値段がすごいことになってしまうからです。
日本では、普通に食べられて、私共のように専門店もある鰻ですが、
ヨーロッパでは、日本ほどは鰻を成魚で食べる習慣がないと聞きました。
養殖に使うため、高値で取引される日本よりも、
稚魚そのもののお値段は、かなり安いと聞いています。

(最近では、中国へ「養殖鰻用」として、輸出されているようで、
 稚魚の価格も以前に比べて上昇しているようです)

日本の場合は稚魚(シラスウナギといいます)は、
養殖のための貴重な商材で、捕獲が難しいので高価、
1kg当たり数十万円もするからです。

代用できそうなものとしては…、
穴子の稚魚をノレソレという名前で呼んで、
調理用として流通しています。
これが一番近いのではないかと思います。

余談ですが、蒲焼小僧が知っている鰻の西洋料理は、
「鰻のマトロット」という名前の、鰻をソテーしてから、
赤ワインで煮込んだフランス料理です。

この料理は、フランスで勲章まで受けた有名シェフの
ポールボキューズ氏の料理解説書でも紹介されていて、
この本は、大阪の辻調さんの監修・協力で、新潮文庫から発行されています。
by eelsuzumo | 2006-11-22 17:07 | うなぎそのものの話