うなぎ屋の三代目が綴る、うなぎ、ご飯、食べ物などにまつわるブログ


by eelsuzumo
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カテゴリ:うなぎ屋の道具( 4 )

縁起をかつぐ言葉

うなぎの串のお話で(前回を参照) 「打つ」というお話をしました。
うなぎの串は、「刺す」のではなくて「打つ」といいます。
言葉としては、刺すのほうが表現として適切なのかもしれません。

*注:こういう言葉は、地域性もあると思いますので、
    あくまで、蒲焼小僧の見聞きする範囲のものと、
    考えていただければ良いと思います…(^^;)

さて、言葉づかいとしてはともかく、仕事場での用語として、
串を刺すことを「打つ」と言います。
そして、串をうなぎに打つ作業そのものを、「串打ち」と呼びます。

以前に年長者から聞いた話では、刺すは言葉が良くないのだそうです。
言葉が良くないというのは、縁起が良くないということだそうで、
「切る」、「する」なども良くないと教えられています。

実は、「打つ」と言う言葉を、包丁で切る場合にも使います。
キャベツを「切る」のではなく、キャベツを打つなどと教えられました。
「打つ」とは意味合いが違ってくるのですが…他にも「切る」ではなく、
包丁するとか、むき物という言葉もあります。

「する」という言葉も嫌われています。
ギャンブルで「する」と言うように、縁起の良くない言葉なのでしょう。
するめのことを、あたりめ(当たりの意)と言い換えたり、
すり鉢を、あたり鉢と言ったり、すりこぎをあたり棒と言ったりします。

もともと、日本語は風流な言葉遣いを持っていると思いますし、
江戸時代からある「粋な言葉」も数多くあると感じます。
また、縁起をかつぐのも、古くから習慣としてきたようですから、
聞こえが良くて、縁起の良い物言いに気を遣うのも、
日本人としては普通、むしろ日本人らしくて良い、
そんな風に、私は考えています。

ただ、言葉として正しいかどうかは疑問が残るところです。
もしかしたら、言語学者の先生や、言葉の歴史に詳しい方などからは、
「違う」と言われるかもしれません(^^;)
でも、庶民が生活の中、日々ちょっとした事で縁起をかつぐのは、
そんなに悪い事でもないんじゃないかと思います☆

単なる言葉の言い換えではなく、少しでも縁起良く、
日々の暮らしを過ごそうとしたのではないかと感じます。

そんな日本人の感覚が好きな、蒲焼小僧です。
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by eelsuzumo | 2006-03-20 09:51 | うなぎ屋の道具

うなぎの「串」

地域にもよりますが、うなぎを調理するために串を打ちます。
作業自体を「串打ち」と呼びますが、
串を刺すのではなく、「打つ」といいます。
f0078499_1631362.jpg

↑画像は竹串です、ゴムで束ねてありますが使う時はばらして使います。

蒲焼小僧の店では、主に竹串を使っています。
竹の串は、素材のしなりや、柔らかさのために、
串に粘りがあって、焼きや蒸しで火が入っても、
串自体に、コシが残るのが特徴です。

蒲焼小僧の店では、10年ほど前までは、
職人さんの手削りの、竹串を使っていました。
竹の素材を回転させながら、刃物で削るそうですが、
職人さんの人数も激減し、後継者も少なく、
現在ではほとんど作られていないと聞きました。

先々代からお付き合いのあった、竹材の加工所さんも廃業されて、
現在では、残念ながら機械加工のものです。

うなぎの「串」には、他にも金串があります。
金属製の串で、蒲焼小僧の店では、ステンレスのものを使っています。
金串は、うなぎを長いまま焼く時だけ使っています。
金串は、丈夫さと串先の調整が利くのが特徴です。
先端が鋭さを失っても、磨きをかけて切っ先を、
元の状態に戻すことが可能です。
↓こちらが、金串です。竹串よりもかなり長い丈のものを使っています。
f0078499_1638397.jpg


うなぎを焼くときに、切り分けないで長いまま焼く地域では、
長い金属製の串を使うことも多いようです。
また、串を全く使わずに焼き上げる地域もあると聞いています。

串を打つという、用語の話については、次回に改めてご紹介しようと思います。
色々と、用語がありますから。
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by eelsuzumo | 2006-03-19 10:22 | うなぎ屋の道具

包丁~道具の話 その2

前回の話にあった、うなぎの包丁の種類ですが、
実際に使わなくても、ここは後学のため!、調べることにしました。

うなぎ様の包丁は、形も呼称も実に様々で楽しいです。
ネットでも色々と探して、拝見したのですが、
刃物やさんのHPでは、江戸包丁とか、大阪裂きとか、うなぎ包丁[名古屋]などと、
刃物名と地域名を、組み合わせるケースが多いと感じました。

刃物としての呼び方は「包丁」か「裂き」の2種類が多く、
○○包丁、○○裂き、うなぎ包丁○○、などの表記。
地域の呼称は、関東・江戸・関西・大阪・名古屋・京都の5種類。

実に色々な表現になっていました。
ここでは便宜上、大阪型・名古屋型・京都型と、呼ぶことにしました。

まずは、大阪型。
小刀の様な形状をしていて、もっともシンプルな作りです。
手で持つ部分に「布を巻いて」使用することもあるようです。
f0078499_19191722.jpg

名古屋型は、木製の柄がついています。先端は尖っていなくて、スリムな形です。
細身の包丁で、蛸引き(関東系の先が四角な刺身包丁)を短くしたように見えます。
(峰の先端は、丸みを付けている様なので、そこが蛸引きとは違いますが)
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京都
木柄がついていますが、明らかに先の二種類とは、スタイルが違います。
刃の形がはっきりと違うので、別の包丁だと思えるほどです。
切刃の部分が三種類の中では、最も広い作りのようです。
f0078499_1919472.jpg


包丁の種類がたくさんあるということは、うなぎは昔から色々な地方で、
食べられていて、地域によって独自の調理法や、工夫が重ねられてきた、
ということになると思うのです。
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by eelsuzumo | 2006-03-01 01:17 | うなぎ屋の道具

包丁~道具の話 その1

うなぎ屋で、もっとも特徴的な道具は包丁だと思います。
「うなぎ裂き」や「うなぎ包丁」という名前で、
専用の物が、刃物の専門店で販売されています。

f0078499_13341126.jpg


ブログのトップにも使っているこの画像、
蒲焼小僧の包丁と目打ちです。
包丁は地域によってその形が違います。
私の包丁は関東系の包丁です。

以前に刃物やさんに聞いた話では、知っている範囲で四種類。
その方の話によると、
包丁型で、関東で使われる、うなぎの包丁、
小刀型で、主に関西で使われる包丁、
小刀型に木製の柄がついている名古屋で使われている包丁、
柄がついているが、名古屋の物とは刃の形が違う、京都の包丁、
の四種類については、実際に見たり、持ったりした事があるそうです。

もしかしたら…他にも細かく種類があるかもしれないそうですが、
包丁一つとっても地域性があるのは、楽しく、趣のあるものです。
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by eelsuzumo | 2006-02-28 13:41 | うなぎ屋の道具